筑波山系縦走の旅

2004.8月初稿、9月改訂、10月再改訂

Penguin!! 松井俊浩
2004年8月21日、3人の自転車仲間と筑波山系を南から北に縦走するツーリングに出ました。

コースは、リンリンロードの常陸藤沢(旧藤沢駅、藤沢休憩所)を出発し、朝日峠に上り、表筑波を風返峠まで走ります。筑波山の東側をいったん下って湯袋峠に出て、北部筑波稜線林道をきのこ山、足尾山、丸山、加波山と縦走して板敷に下ります。板敷から平地を走り、岩瀬からリンリンロードに入ります。リンリンロードを30キロ走ると藤沢に戻ります。全行程は、85キロほどでしょう。

9時に出発するはずが、9時45分になってしまいました。
左の地図をクリックすると大きな地図が出ます。
ここをクリックするとさらに大きな(63MB)地図が出ます。
赤い道が、峠道および尾根づたいの林道で、起伏が激しい。緑は、リンリンロードで平坦路。青は、それ以外の一般道。全部で85キロくらい。

この地図は、国土地理院がwww.gsi.go.jp で試験的に公開している2万五千分の一の地図を貼り合わせて作りました。山に行くときは、このような等高線の表示された地図が必要です。ゼンリンの電子地図帳は役に立ちません。

朝日峠

筑波山系の南端からの上り口です。道路はよく舗装されていて滑らか、交通量は少なくはないはずですが(元旦などひどい渋滞になります)、8月の週末の午前中は、がらがらでした。峠を攻めたがるオートバイ乗りが多数爆死?したので、1980年の後半から、二輪車通行止めになっています。暴走を防ぐためか、道路の10カ所くらいに段差が作ってあります。

勾配は8-10%くらいでしょうか。3キロかけて280mを上ります。不動峠より若干急です。峠の頂上付近では、土浦、東京方面の眺望が開ける場所があります。駐車場が3つくらいあります。東側に朝日が望めるかというと、そういうわけでもないように思われます。

上り坂の得意でない隊員がいたので、頂上付近でじっくり休んで待ちました。


デブだからか、広角で撮っているからか、
いやにFCR-1が小さく見えますね。
174cmに440mmは小さすぎ。

朝日峠からつくば市側を見下ろす眺望。
目をこらすと、研究所群、三井ビル、ロケット、筑波大
などが見える。

まだまだ元気。


   

表筑波スカイライン

朝日峠の頂上から、峠を反対側に下りて、八郷の果樹園巡りをする人たちも多いのですが、我々は高度を保ったまま、筑波山の稜線を走る有料道路、表筑波スカイラインに向かいます。アップダウンを2,3回繰り返して5キロほど走ると、不動峠の頂上にある料金所に着きます。ここが320メートル。ここからさらに北に5キロ、3回ほどアップダウンを繰り返しながらスカイラインを走る続けると、有料道路の終端、風返峠に到着します。ここの標高は415メートルです。

ここまで来ると、霊峰筑波山(870m)が目の前にたちはだかります。自転車では、ここから頂上に向かうことはできません(2006年から一般開放)。自動車でつつじヶ丘駐車場まで上がり(2006年から自転車でも登れます)、ロープウェイか徒歩で300メートルの高度差を上るか、峠を西側に下りて、筑波山神社のあたりからケーブルカーで頂上へ行くか、でしょう。常識的には低い山ですが、地上より5度以上気温は低いはず。頂上からは関東平野一円の眺望が開けるので、とてもお得な山だと思います。


表筑波スカイライン。
料金所の周りは、舗装がきれい。
交通量はきわめて少ない。

4人の隊員分200円を支払う。
通行客極少なのに徴収員3名。
2004年10月から、無料開放の予定。

 

風返峠-湯袋峠

風返峠には4本の下降線と、一本の上昇線が集まります。北東に下る道を選びます。下りはじめて50メートルほどのところに自動販売機ハウスがあるので、飲み物を補給します。みんなボトルにお茶など注いでいます。


ひゃっほっほー。にまにま。ダウンヒルはこたえられませんな。

この道を、2,3キロ下る間に200メートルの高度を失ってしまいます。ダイナミックなスラローム走行を楽しめます。ブレーキが、がしがしすり減っていく感じです。峠を下りきったあたりに、国民宿舎や2,3軒のそば屋があります。このあと、林道に入ると全く何も補給できなくなるので、チャージするとしたらここしかありません。12時くらいですが、岩瀬でチャージすることにして、通過しました。

筑波山北部稜線林道

風返峠からの道を下りきると、三叉路に出ます。ここを左、北西に向かいます、また上りになりますが、数百メートルだけのことです。それを過ぎるとまたゆるい下りです。標高は200メートルくらい。少し下りると林道の入り口が道の右側、北東側にあります。4輪車は通行止めです。その理由がわかりませんでしたが、入ってみれば一目瞭然。この道はこわれていて自動車は通れません。

2000メートルくらい走って高度を150メートルくらい獲得するとまた下りになります。下りきったところには、峠道がありますが、それを横切ってまた上り。ここは、4輪車も通れます。1000メートルくらい薄暗い林道を走り続けて、きのこ山の山頂付近にたどり着きます。要するに、地図で見る以上に、上下にアップダウンが激しいと言うことです。

山頂付近といっても、周りは鬱蒼とした樹木なので、景色が見えるわけではありません。この林道は、ちゃんと舗装されていますが、4輪車通行止めの部分は通行量が少ないので、道路上には木くずがたくさん散乱しています。

きのこ山(527m)を標高にして100メートルくらい下りるとまた上りにさしかかります。このように、100メートル上っては50メートル下りる、というようなことを数回繰り返し、足尾山(627m)、丸山などを超えていきます。高いところは600メートルくらいの標高になります。


林道の入り口。4輪車通行止め。

真壁側から見た入り口の標識。この林道を通って上曽峠、
足尾山に出ることになっています。実際は、きのこ山が直近。

このあたりの尾根には、西側、東側にそれぞれハンググライダーの離陸場所があります。そこは、木が刈られているので、なかなかの眺望です。運が良ければ、ハンググライダーが飛び立つところも見られます。見上げると、色とりどり10機くらいのハンググライダーが飛んでいます。自然の上昇気流だけであんな高いところまでいけるのかとびっくりです。道ばたには、調整中のハンググライダーが並んでいます。このあたりの道は、シーズンにはかなり自動車が集中するようにも聞いていましたが、この日(2004年8月)は、すれちがう車は数台でした。


東側を向いた離陸場

西側に開けた離陸ポイント

きのこ山の頂上付近。
後続の若手隊員を手持ちぶさたで待ちくたびれるベテラン隊員たち

一本杉峠から加波山

5回目くらいの下りの果てに、一本杉峠(420m)にたどり着きます。尾根を縦走していると、峠が鞍点になっているのがよくわかります。平地から峠を目指して山を登るときは、峠が一番高いのですが、尾根づたいに走ると、一番低いポイントです。

標識が立っているので、迷わず加波山方面を目指します。途中に、立派な石碑が建っていました。明治の自由民権運動家たch(為政者にとっては今で言うテロのようなものでしょうか?)たちが警察の追撃を逃れて立て籠もったのが加波山神社です。どうもそれを称える石碑のようでした。石碑といえば、このあたりには石切場があります。600メートル近い高度になったところに、左、加波山神社、という標識があります。地図を見ると、神社を通って加波山の頂上に到達するように見えます。坂はかなり急ですが、コンクリート舗装してありますし、上れないことはありません。意を決して上り始めます。


加波山頂上への登山道入り口らしい。
あと1.2キロで加波山神社と出ている。

微妙に角度がずれている。道は一本だけど。

200メートルくらい行くと、この先砂利道、という標識があり、心配になってきます。前から、神社に参拝したと思しき自動車が2,3台連なってやってきます。あと1000メートルくらいで神社すから、自転車を引きずって行ったところでたいしたことはないでしょう。砂利道では、急坂と相まってタイヤが空転するので、自転車押して歩くこと100叩2回、8割方は、乗ったまま行きました。

そうして、神社に着いたのですが、別にお参りしたいわけではありません。山頂に行ってみたかったのです。こうして山を走ってはいますが、頂上には一度も到達していないのですから。ところが、神社から頂上には、さらなる急坂の砂利道が続いています。ローディーな同行者は、砂利道はうんざりといった顔をしています。私のメッセンジャーバイクも、25ミリのスリックですから、砂利道は大いに不得意ですが、彼らの自転車は、スポークが少なかったり、タイヤを変えたばかりだったり、要するに高級車なので、こういう汚れた道を走るのは不本意でしょう。しかし、ここまで来て頂上へ行かないのでは、砂利道を押して上がった苦労が水の泡だと言って、さらに上り続けます。私は、7割くらいは乗車して進みました。みんなは、遅れて着いてきました。

というわけで、さらに15分ほど、砂利道を上ると、NHKの中継所があり、頂上らしきところに休憩所があります。ところが、周囲はやはり木に取り囲まれていて、景色が見えるのは、角度にして10度くらい。そこから見ると、確かに標高が700メートルくらいあるのは実感できますが、これまでの苦労に見合った景色とは言えません。それに、加波山だと思って上っていたのに、知らない間に隣の燕山の頂上になっていました。加波山は、どこにあったのでしょう?(正解:加波山神社のすぐ目の前でした)


おいおい、加波山かと思ったら燕山になっちゃってる。
標高701メートル。空気が薄くて肌寒い。
他に行く道はないみたいで、来た道を引き返すしかなさそう。


みんな疲労の色も濃く、がっくり。ただ、後から気がついたのですが、標高が高いので、相当に気温が低い。4-5度は違うでしょう。暑さはほとんど感じません。

せめて砂利道が頂上から北側に延びていてくれればいいのですが、そちら側は獣道状態で、とても自転車では進めません。やむなく、来た砂利道を引き返します。下りだからかっとばしたいのですが、砂利道ではそうもいかず、パンクしないようにそっと走ります。林道まで引き返すと、みんなうんざりで、ブーブー鳴らしてます。

加波山下り

そこからは、長い下り坂です。斜度は10%くらいあるのではないでしょうか。上ってきた道よりは険しい感じです。スピードがどんどん出ます。ところどころに、排水用の溝があり、金属製の網のような枠が取り付けられています。その段差がかなりな衝撃です。中には、枠がはずれていて、溝がむき出しのところもあります。そんなところを高速で通過したら、衝撃がすごそう。

平地までかっ飛ばして、後続を待ちますが、なかなか現れない。後続車の1台がパンクしたとの連絡。20分くらいして、全員そろいました。こんな急坂では迎えに行って手伝うのもおっくうになります。

加波山を下りきったあたりを板敷と言うようです。そこからさらに北の岩瀬町に進路を取ります。平地は楽ですが、とたんに自動車が多くなりました。国道50号まで北上し、50号を西に向かいます。途中、そば屋でチャージ。手打ちそばで、なかなかうまかった。

50号から南西にそれて岩瀬駅を目指します。岩瀬駅で踏切を越えて南側に出ると、すぐにリンリンロードが見つかりました。

岩瀬からつくばまでリンリンロード

リンリンロードは、何回も走っていますが、岩瀬まで来たことはありません。同行者は、リンリンロード自体が初めてで、喜んでスピードを出しています。元が電車用の道なので、起伏を極力抑えた平らな道です。大きな道路と交差するところでは、道路の方が自転車道をまたいで立体交差してくれる贅沢ぶりです。反対に、細い生活用の小道は容赦なく自転車道と交わる上に、小道の方が優先で、自転車道には止まれのサインが出ています。これが実にうざい。3-400メートル走っては減速の繰り返しです。

真壁、筑波山口、藤沢などには、旧駅を利用した休憩所があります。近くのコンビニ風のお店で水分補給もできるでしょう。


筑波山口の休憩所。

暮れなずむ休憩所のトイレ。疲れた。。。

リンリンロードには、歩行者もいます。カブに乗ったお百姓さんもいるけど、違反でしょう。特に多いのが、犬の散歩。うんこもところどころに落ちている。マナーが悪い。犬は、周りを気にせずあっちこっちふらふらする上に、飼い主とひもで結ばれていて占有投影面積が広いので要注意です。犬の散歩が二つ落ち合って、飼い主同士(たいてい、じいちゃん、ばあちゃん)が長話を始めているところでは、犬もじゃれあったりして、大変です。ベルを打ちたくなりますが、自転車がスピードを落として安全に通り過ぎるべきでしょうね。本当は、ヨーロッパのように、自転車道には歩行者を入れるべきでないと思います。

それから、リンリンロードには車線が引いてありません。自転車は、道の左側を走るべきなのでしょうが、でたらめな自転車が多い。歩行者は右側というのは正しいのでしょうか?いわゆるキープレフト、遅い車両は左端、という原則に照らすと、間違ったルールです。こういう自転車・歩行者道では、みんな気を緩めて思い思いに歩いたり走ったりするので、けっこう危ない。広がって走っているのも困る。2列3列も当たり前。後ろについた方が風よけになって楽なのにね。後ろから、通ります、というと、よけてくれるのはいいが、二人の意志はばらばらで、右と左に分かれたりする。ま、ゆっくり走ればいいと言う人が多いですが、それじゃあ自転車の意味がないし、自転車は、ゆっくり走るとふらつくので、解決になりません。

筑波山駅から藤沢まで13キロほどあります。かなり夕暮れが迫り、暗くなってきました。帰着したのは6時半くらいでした。走行距離はちょうど100キロ。

各隊員の脚力、運動性能評価は以下の通り。

隊員 平地 上り 下り 砂利道
A × ×
B ×
C × ×
D ×

後日談: 次の日の日曜日は、疲れはしたものの、動けました。月曜日になったら、顔が腫れて、ぐったり疲労感。仕事休みました。日焼けの影響もあったと思う。

ヒント

山に入ってみて、気がついたこと。

  1. 峠の頂上では、休まない方がよい。止まって休むと大量の汗をかいて、水を消耗する。走り続けて坂を下れば、体温が下がって快適。(何のために峠を登ったかは気にしない)
  2. 山では携帯電話は役に立たない。PHSだけかと思ったら携帯全般だめ。過信すると危険。
  3. パンク修理用具は、各自持つか、列の最後の人が持つ。坂で生き別れになると、どうにもならない。
  4. 地図は大切。事前に国土地理院のホームページへ。


toshihiro@matsui.dip.jp