チタンバイクを買うぞ!
パナチタン Panasonic FRT-14


Sep-2011

Penguin!!

7年乗ったFELT

毎週末のサイクリングに乗っている、アルミ製+カーボンのフォークとシートステイのFELT-F50が、ちょっとくたびれてきました。2004年購入の満7歳で、18,000kmになります。脆化が進んだのではないかと感じたのは、2011年1月にderailleur hangerが破断したときです(写真)。寒さのせいではありますが、こんなに簡単に折れるというのは、アルミフレームも疲労しているかもしれません。自転車探検!によると、アルミニウムには、この強度以下のストレスならば何回繰り返しても決して破壊しないという疲労限界がなく、弱いストレスでも次第に強度が下がるように書かれています。
ハンドルバーがちょっと曲がっているような気がします。フレームにも小さな傷があります。チェーンは3本目、ホイールは3セット目、タイヤ交換は7-8回、バーテープは6巻めくらい、BBを一度交換、サドルは二つ目、ワイヤは1回取り替えただけ。ブレーキシューを一度交換。

寒い朝にポッキリ逝ってしまったディレイラーハンガー(左)とその新品(右)_。フレームの後端部、後輪車軸からリアディレーラを取り付ける部分。ディレイラを低速側に引きすぎると、スポークに引っかかって折れることがある。このハンガーが別部品になっていないと、フレーム全体を交換することになりかねないので、ヒューズ的な安全用消耗品である。こういう設計には、FELTの良心を感じる。

同時にrear derailleurを交換しました。9速用というとTiagraしかなく、Ultegraからダウングレードになりました。実は、9速、10速のインデックスは、STIレバー側にあって、ディレーラは無段階なので、ultegraで良かったのだと思う。

実は、くたびれてきているのは、自転車よりも、我が身体の方でしょう。もう50代半ばで、若い頃のようには無理がきかなくなっています。二日続けてのサイクリングは困難。笠間への往復120キロで峠4つ、平坦なら足利フラワーパークまでの往復165キロというのが限界です。これからさらに弱くなるなら、多少なりと体力が残っているうちに、新しい自転車に乗っておきたいと思うのです。

完成車か、オーダーか?

自転車雑誌には、かっこいい完成車が宣伝されていますし、完成車の試乗インプレッション記事も必ず出ています。逆に、フレームだけを写真で見ても、かっこ良さはなかなか実感できません。フレームの試乗記事を見ても、ホイルやサドルの影響で印象が変わってしまっているかもしれません。完成車に比べて、フレームオーダー車は、評価が難しい。それに、完成車と同じ構成でオーダーしたら、高くつくに決まっています。

にもかかわらず、オーダーには良い点がたくさんあります。まず、フレームサイズが、よりきめ細かいので、体に合ったものが作れます。完成車のパーツで全部満足できることはまれで、ホイル、サドル、ギア比など、必ず何か変えたくなります。変えれば、古い部品は無駄になります。世界に1台の組み合わせにできるというのは、自己満足にすぎませんが、自転車に一層の愛着がわくことも間違いありません。完成車のカタログから気に入ったものを探すのではなく、組み合わせを、あーだこーだと創造するのも楽しみですし、お店の主人と話をするうちにいろいろ勉強になることもあるでしょう。

というわけで、今回は奮発してオーダーにします。次に述べるような、特殊なフレームを使ってみたかったことも大きな理由です。オーダーと言っても、できあいのフレームを選ぶだけで、パイプの熔接から特注するわけではありません。組み立てをお願いするのは、スポーツバイク つくばマツナガさんです。以前からときどき利用していましたが、故いまわのきよしろう氏のバイクを作られたという大変に腕の良い、信頼できる自転車屋さんで、飛騨高山や四国からもオーダーがくる、すっかり全国区の自転車屋さんです。そういうお店が近くにあるというのはありがたいことです。しばらく竹園の小さなお店で営業されていましたが、2010年?に上室に引っ越されて、お店も大きくなりました。最近、つくばは、サイクリストが急増し、自転車屋さんも増えています。

フレームは何にするか

2004年に購入のFELT-F50は、フレームの主な部分はアルミニウムで、前フォークと後ろのチェーンステイにカーボンファイバーが使われています。その前に乗っていたGiantのFCR-1というメッセンジャーバイクも、アルミフレームにカーボンのフロントフォークでした。2010年には、クロモリフレームの、Bianchi Lupoを購入。これは、ちょっと重いが、大変に具合がよく、もっぱら通勤に愛用、まだまだ使います。今度買いたいのは、7歳を過ぎたFELT-F50の後継で、週末の50-150劼離汽ぅリング、ヒルクライム用です。

カーボンの方が衝撃吸収がよくて軽いと言うことなので、F50を買った直後から、次は、オールカーボンを試したいと思っていました。私が、初めてカーボンファイバーというものを知ったのは、1981年の学生時代だったと思います。三浦宏文先生が、東レかどこかから、カーボンファイバーのパイプをもらい、「折れるかね?」とチャレンジされるので、持ってみたが、大変に軽い。そんなもの簡単に折れると思ったが、全然歯が立たなかったのを覚えています。

2006年頃から、カーボンバイクが増え出し、あれよあれよと価格も下がって、20万円以下からフルカーボンバイクが買えるようになりました。カーボンの細い繊維はしなやかなので、いろいろな形に成形するのが簡単らしく、金属バイクのようなパイプ、直線基調にとらわれない、複雑な形のフレームが現れました。そうやってカーボンバイクばかりになると、こちらの熱が冷めて、カーボン以外のフレームにしたくなります。カーボンは、転倒などでフレームが割れて、結局耐久性が低い、という評判も気になるところです。カーボンファイバ自体は丈夫でも、それを固めているプラスティック(高分子)の耐候性が低いのだと思います。10年くらいは使い続けたいものです。

笠間の陶器市(火祭り)で知り合った、Graham氏が見せてくれたのは、スカンジウム合金製フレームでした。スカンジウムというのは、高価な稀金属ですが、アルミに1%以下入れるだけなので、そんなにコストがあがるわけでもないようです。来年は、彼に見せびらかすことができるように、フレームはチタンにしよう(見てもわからないと思うけど)。チタンは、軽くて強い材料として有名で、特にカーボンが出る前は、究極の材料でした。しかし、高価なので、軍用機などの特殊用途向けでした。ところが、最近は、メガネフレームや、腕時計のケースやベルトにも使われているようです。軽くて丈夫。金属アレルギーを起こすことも少ないと言われています。チタンのメガネフレームは、とても柔らかくて、びよんびよんと曲がります。弾力のある、おもしろい材料です。また、チタンの表面はツヤがなく、鈍い灰色です。金銀やクロムメッキ、ステンレスのような金属的な輝きを持ちません。その奥ゆかしさ?を好きな人も多いようです。

チタンは、自転車のフレーム材としても好適と思われますが、実際に使われる例は少ないようです。ライトスピードが有名なようですが、私は見たことがありません。国内では、ほとんどパナソニックが唯一でしょう。理由は、おそらく高価なことですが、材料としてのチタンは、いくら高いと言っても、たかだかアルミの数倍であり(Kgあたりアルミの数百円に対して2000円)、1.5圓曚匹離侫譟璽牴然覆梁製,鬚靴瓩襪錣韻任呂覆。そもそも、Ti - チタニウムという金属は、そんなに珍しい元素ではない。元素の地殻存在度表によれば、鉄の1/10ほど存在し、銅やコバルト、ニッケル、クロム、亜鉛などを足したよりずっとたくさんあり、白色塗料の原料ともなるような、ありふれた元素なのです。それがフレームになるとこんなに高価になるのは、加工が難しいからにほかなりません。チタンの特徴や難しさは、ここにうまく書かれています金属材料の性質や加工性については、ここに比較があります。堅いくせに弾力があるので加工精度が出にくく、融点が高いので熔接がしにくく、熱伝導が悪いので、工具を傷めることが多い、ということのようです。

   密度  ヤング率E(GPa)  融点℃  熱伝導率t/℃ ビッカース硬度MPa 
 アルミニウムAl  2.7 109  660 236  167 
 Duralmine    72      
 チタニウム Ti  4.5  116  1666 22 970
 鉄 Fe  7.9  200-210  1536 84 608 
 炭素 ダイヤモンド  3.5        
 炭素 グラファイト  2.3        

このような、軽くてしなやかな材料なので、チタンで作った自転車は、柔らかく弾力があって、乗り心地が良いとの評があります。衝撃を完全に吸収してしまうと、運動エネルギーが熱としてロスになるのですが、バネのようにしなうのであれば、また推進力として復活するようなことが書いてあります。そのような特性が生きるのは、固有振動数が体重や速度とマッチした、ごく狭い領域のことと思われますが、熱としてロスするよりは良さそうです。メガネフレームのびよんびよんが、自転車になったらどういう挙動を示すか、興味あります。

もうひとつ、チタンは、耐蝕性が強いという長所があります。錆びにくいのと、経年変化が少ない、脆化が少ないということです。長く乗れると言うことは、長く価値を失わないだけでなく、安全ということになります。

チタンは、純チタン、アルミとバナジウムを3%および2.5%添加した3-2.5チタン、それぞれ6,4%の6-4チタンがあるようです。添加を増やすと硬度が増すようですが、脆くなるのと、加工がさらに難しくなるようです。3-2.5は、冷間製造が可能です。パナチタンは3-.25です。

パナソニックのチタンフレーム

パナソニックは、Panasonic Order System -POSという窓口で、チタンフレーム、チタンバイクを販売しています。クロモリもありますが、一般的なアルミやカーボンの扱いはなくて、なんだかこだわりを感じさせます(息子は、えぇー?!ぱなそにっくぅ?と絶句しました)。ロード用のチタンフレームは、3種類あります。Butted tubeを使い、薄肉厚のパイプを使ってダウンチューブをやたら太くし、スローピングにして、堅めのversion Hと柔らかめのversion Lが用意されたシリーズが2種類と、細めのストレートチューブ、ホリゾンタルフレームで1versionのみのFRT14シリーズです。後者を選択しました。理由は、次に述べるホリゾンタルと細めのストレートチューブです。

ロード用の自転車というのは、昔はすべてホリゾンタルフレームでした。ホリゾンタルと言うのは、フレームのトップチューブ、すなわちサドルからハンドルにつながるパイプが、水平になっていることです。それが、90年代の後期からか、スローピングと称して、トップチューブのサドル側を下げて斜めにしたフレームが出回り始めました。私の知る限り、これは、Giantが最初です。その目的は、少ないサイズ種のフレームで、より幅広い体型のライダーに合わせることです。メーカーにとっては、何種類ものサイズのフレームを作ることは、コスト要因に他なりません。在庫を抱えることになるので、販売店にとってもフレームサイズ種は少ない方がありがたい。SMLの3サイズでなく、フリーサイズ1種類なら簡単ということです。そのためには、サドルの位置が、上から下まで広い範囲で変えられるよう、トップチューブを斜めにすればよい、そして、シートポストの繰り出し長を広く選択できるようにすればよい。これで、1サイズのフレームで、身長差15センチくらいをカバーできます。しかし、そうすると、フレームの三角がいびつになり、強度が下がります。その強度を補うために、パイプを太くしました。それがオーバサイズチューブのフレームです。要するに、スローピングで太いパイプのフレームというのは、画一フレームを大量生産で作ってコストを下げるための賢いやり方なのです。それをかっこいいと思うのも一つの選択ですが、オーダーするのなら、適合身長範囲を広く取る必要はなく、私の身長にぴったりの細いフレームで正しい3角のフレームにして、少しでも軽くしてくれた方がありがたい。それに、この三角スペースは、ボトルの他、空気入れやバッグを吊すこともあるので、広ければそれなりに使い道があります。

もう一つのButtedチューブにも言いたいことがあります。butted tubeというのは、パイプの両端(double butted)が、中央部に対してより肉厚になっていることです。どうやってそんなパイプを作るのか不思議ですが、真ん中が太くて両端が細い心棒にパイプをかぶせるようにしてプレスし、その後、ローラーでよじるようにしてパイプ径を広げて心棒を取り出し、再び外側から一様の太さになるようにプレスするようです。これによって、パイプはより強く、より軽くなるとされていますが、私には信じられません。中央部が薄いのですから、力がかかれば、中央部にストレスが集中して中央から折れるだけです。法隆寺やパルテノン宮殿など、古代の建築物の柱は、エンタシスとよぶカーブが付いています。すなわち、柱の下部よりも中央をふくらませ、天井に近づくにつれて細くします。力学的にはこれが正しいという説を読んだことがあります。応力集中を起こさないためにも、肉厚はストレートが望ましい。ただ、溶接まで考えると、接触部分の面積を多く取った方が良いでしょうから、端部を太くする意味はあるでしょう。

FRT-14の重量は、1500gです。これで、235,000円(高いね!)。butted tubeのFRT-04は、version Lが1410g、version Hが1480gで、315,000円とさらに高く、その割に軽くなっていない。FELTの完成車2011年モデルのカタログを見ると、20万円以下のフルカーボンバイクF5のフレームは949g、15万円くらいのアルミバイクF75のフレームが1291gということなので、パナチタンは軽くもないし、値段も高い。パナソニックさん、もっと軽く作ってよ。厚みは0.8mmで足りるのではないか?チタンの良さは、粘りと耐蝕性だけなのかもしれません。

   フレーム重量 価格 
 Panasonic FRT-14 straight Titanium  1500g 235,000 
 Panasonic FRT-04 butted Titanium  1410(L), 1480(H)g 315,000 
 FELT F5 carbon  949g 200,000 
 FELT F75 aluminum  1291g 150,000 

熔接の話が出ましたが、パナソニックのチタンバイクは、過去に熔接不良が原因の事故を起こしています。http://blogs.yahoo.co.jp/pork_miso_soup/32505291.html  http://cycle.panasonic.jp/products/pos/titantechno.html  そのため、パナソニックは、熔接の強度に相当に神経質になっている様子です。事故後は、TIG熔接(Tungsten Inert Gas Welding)と呼ぶ高度な方法で溶接しています。融点が3000℃以上のタングステンを電極とし、酸化反応を防ぐために周囲に不活性ガス-アルゴンを充填します。溶接部分の断面積が増えるよう、いろいろな工夫をしているようです。

フレームデザイン

POSでは、カラーと簡単なデザイン、銘を指定できます。Webサイトで、シミュレーションをしてくれます。下の二通りを考えました。黄色には以前から引きつけられていて、実際ジャージやヘルメットは黄色シリーズも持っている。安全のためにもよいのだが、色あわせが難しい。結局、左の紺と赤にしました。

ネームが入れられます。本当の名前を入れると、将来誰かに譲るときに嫌がられるかもしれないので、何か違ったものにしよう。サイクリングしながら考えて、Titanium Mutex にしました。一応、私のイニシャルになっている。mutexは、無敵と読んでもらっても良い。mutexとは、IT界の強烈なjargonで、mutual exclusion (相互排除)のことですが、これを知っている人は、かなり偏屈なプログラマでしょう。チタンのように軽くて堅牢なmutexは、とても魅力的、という自己満足です。

   シミュレーション通りの塗装です。Titanium Mutex というのは、字数制限ぎりぎり。
持ってくれているのは、店長のマツナガさんです。

コンポ

パナソニックは、チタンフレームに、シマノのコンポ105,あるいはUltegraを組み合わせた完成車も販売しています。せっかくのオーダーなので、これらとは違ったものにすべく、Campagnoloでそろえます。別にカンパの信者ではありません。ちょっと違ったものにしたいだけです。カンパの方がちょっと軽い、11速がある。ブラケットの形状が異なる、シフト方法が、シマノのSTIがブレーキレバーと兼用なのに対してカンパのErgo powerは、シフトアップとダウン用に別々のレバーがあり、特にシフトアップは親指で操作するというのが、大きな違い。さらに、価格もシマノより高い。原則、シマノとは互換性がなく、混ぜて使うことはできません。手持ちの部品と融通が利かなくなるのは心配です。

カンパには、Super Record, Record, Chorus, Athena, Centauri, Veloceというグレードがあり、シマノのDura Ace, Ultegra, 105, Tiagraと対比されます。Ultegraが、Chorus、105が、Athenaグレードくらいでしょうか。Athenaを選択しました。カンパにするからには、シマノにはない、11速にしたかったからです。実際、11速あるのはありがたい。

ところで、Ultegra, 105, Athena のdual control lever の国際的な実勢価格比較をしてみました。アサヒの通販とドイツのbike24です。日本の価格で比較すると、Athenaは、105とUltegraの中間のグレードですが、ドイツ価格では、Athenaは、105以下の価値しかありません。ユーロ105円で換算すると、どれもドイツで買った方が安い上に、カンパのAthenaは、日本ではこんな高く買わされていたのかと愕然とする価格差になります。Athenaの方が100g近く軽いのにも愕然とします。Tiagraより安いなんて、と思いましたが、アサヒでもTiagraは105より高いですね。ギアインジケータが付いてるから?

  サイクルベース
アサヒ 
 Bike24
Euro
 Bike24
Yen (105/E)
 weight
シマノ Ultegra 2x10 STI Aluminum   29,820  265  27,825 447g
シマノ105 2x10 STI Aluminum  19,000  170  17,850 490g
シマノ Tiagra 2x10 Aluminum 19,310 155 16,275 496g
カンパ Athena 2x10 Ergopower Aluminum  22,500  142  14,910 372g

カンパにして、断念せざるを得ないのは、シマノ専用のサイクルコンピュータ、フライトデッキです。なぜフライトデッキと呼ぶのかわかりませんが、今使っているギアが何段目かを示す、ギアインディケータが付いているのが最大の特徴です。そんなものなくても平気という人はたくさんいますが、頭を下げてクランクやスプロケット辺りを見る必要がなく、したがって安全走行のためにも重要な装備と思います。表示の切り替えがブラケットに付いているスイッチで操作できたり、ギアと速度からcadenceを計算で出してくれる機能も秀逸でした。カンパには、これらの機能を持つサイコンがありません。泣く泣く、諦めました。今のフライトデッキは、心拍計もついて、さらに進化していますが、価格も3万円以上と他を寄せ付けません。将来は、GPSと地図機能も備えるようになるのでしょうか。

Pana Titan
FRAME FRT-14 530mm 1500g
FORK FRT-14に付属カーボンファイバー
HEAD SET FRT-14に付属
stem FRT-14に付属
SHIFTER Campagnolo Athena
REAR DERAILLEUR Campagnolo Athena
front derailleur Campagnolo Athena
crankset Campagnolo Athena Power Torque 170mm 34-50T
BB Power Torque system
chain chorus 11s chain
sprocket Campagnolo Chorus 12/27T 11 speeds
BRAKES Campagnolo Athena
BRAKE LEVER Included in Shifter
WHEELS Campagnolo Zonda 2way
TIRES Bridgestone Extenza RR2LL 700x25
HANDLEBAR JD RA-09
SEATPOST Ghisallo carbon short ST-018
SADDLE Physic Arione versus
PEDALS Time i-Clic racer (white)

ギア比と変速機

7年乗り続けるまで、なかなか新車購入に踏み切れなかったのは、変速機の仕様を決められなかったからです。前は2枚か3枚か、後ろは10枚でよいのか、ギア比はクロスがよいのかワイドがよいのか、カンパかシマノか?電動はどうよ?今回も、大いに悩みました。

F50は、前3枚52-42-30、後9速12-23ですUltegraですが、2004年当時は、9速しかなかったのです。10速が出たのは翌年?よく使うのは、前がミドルの42T、後が4-6速(15-17T)です。3x9=27速もあっても、よく使うのはこの3速に過ぎません。それでも、クロスなので最適なギア比を選択できます。平地の23-25km/hで4速、26-29km/hで5速、29-33km/hで6速と言ったところ、cadenceでは、78-84くらいが気持ちよいところで、70以下は気分悪いし、93以上はアップアップという感じになります。ミドルギアで後が5速という、ちょうどチェーンが真ん中でまっすぐの状態が、最もよく使うギアというのが気持ちいい。峠登りは、インナーに4速で上り始め、ほとんどが3速、時々2速、15%くらいになると1速という使い方です。アウターは、峠の下りか、追い風です。インナーを使うのは全行程の5%、アウター8%、87%がミドルギアで走っているでしょう。前が3枚あり、それほどギア比が離れていないので、たすき掛けになることはまれですが、前3枚ギアというのは変速が難しい。峠の入り口でインナーに落とそうとすると、チェーンが、インナーからさらに内側にはずれてしまったり、インナーからミドルに上げても変速せず、さらにアウターまで上げて一段落とす、というような小細工が必要だったりします。

峠を楽に登り、常用域でたすき掛けにならないことを優先すると、どうしても前3枚にせざるを得ません。しかし、世の主流は2枚ですし、2枚の方が、変速の信頼性が高く、簡単なことも事実。あれこれ考えているうちに、カンパのように後が11枚もあれば、前二枚でもやっていけるんじゃないかと気がつきました。小さいギアは12ですが、大きい方に、これまでの23の上に、25,27を追加できます。前が34Tならば、後の27Tは、3枚ギアの30T-23Tより低いギア比になります。インナーをたすき掛けで使えば、ミドル42Tでの6速と等価なギア比までまでカバーできます。それどころか、アウターをたすき掛けで使えば、ミドル42Tの低速域をほとんど完全にカバーできます。要するに、前2枚であっても、後が11枚もあれば、アウターだけで、3枚ギアのミドルとアウターの両方をカバーできるのです。その上、インナーでの低速ギアは、3枚仕様よりさらに低いギア比になるので、坂道はより軽く上れる。こりゃええわ! ただ、クロスな領域からは、はずれてしまいます。

 
9s 11s sprocket 30 34 39 42 50 52
1 27 0.900 0.794 0.692 0.643 0.540 0.519
2 25 0.833 0.735 0.641 0.595 0.500 0.481
1 3 23 0.767 0.676 0.590 0.548 0.460 0.442
2 4 21 0.700 0.618 0.538 0.500 0.420 0.404
3 5 19 0.633 0.559 0.487 0.452 0.380 0.365
4 6 17 0.567 0.500 0.436 0.405 0.340 0.327
5 7 16 0.533 0.471 0.410 0.381 0.320 0.308
6 8 15 0.500 0.441 0.385 0.357 0.300 0.288
7 9 14 0.467 0.412 0.359 0.333 0.280 0.269
8 10 13 0.433 0.382 0.333 0.310 0.260 0.250
9 11 12 0.400 0.353 0.308 0.286 0.240 0.231
 ギア比
クリーム色のセルは、常用する0.45-0.36位のギア比。30の列の27のギア比0.900などグレーの数値は、F50の9速では使えないギア比。
アウター50は、9速のミドル42Tのギア比をすべてカバーできるが、常用域で3枚しか使えない。34Tの高速域なら4枚使えるが、チェーンの張りが弱く、10,11速では隣のギア(おそらく前)との接触が出る。

ホイール

ホイルについては、手組はどうなんでしょうと聞いてみるが、マツナガさんは、完組ホイールの、Xylium Eliteか、Campagnolo Zondaを勧めてくれました。前者が、1550g、定価84,000円、後者が1580g、81,900円という似たもの同士です(Wiggleでは、5万円ほど)。一番の違いは、Zondaは、2-way fitで、クリンチャーとチューブレスの両方に使えることです。マツナガさんは、チューブレスは乗り心地がいいですよと勧めてくれる。それじゃそれを試してみよう、コンポもカンパだからちょうどよかろう。。。後からInternetで調べると、Zondaには、2wayでなくクリンチャー専用のもあり、1.5万円ほど安く、30グラム軽いようだ。こうなったら、どうしてもいつかはチューブレスを嵌めるのでしょうね。

タイヤは、ブリジストンExtenza RR2LL 700x25c、お店にあった25のタイヤから選びました。ブリジストンの自転車タイヤというのは珍しいですね。最初、Continental GP4000を勧められたのですが、Continentalにはいい思い出がないのと、サイドに意味不明の彫り込みがあり、強度が下がるだけに思われたので敬遠。軽くしたいなら、サイドウォール全体を薄くしないと、応力集中が起こって、彫り込みからひび割れるでしょう。定番のミシュランは、薄くて軽いのはよいが、durabilityが低い点で意見が一致したのでやめました。チューブレスは、2本目から使うことにして、このクリンチャと比較してみようと思います。

注文から納車まで

2011年7月10日(日曜)にマツナガさんを訪れ、チタンバイクはどんなものか、パナソニックのフレームでチタンバイクを組んでもらえるか、カンパとの組み合わせはいかがなものかなどを尋ねました。どれもOKということなので、とりあえず引き上げ、フレームのデザインやネームを考えました。次の土曜日16日にもう一度マツナガさんに行きました。股下やリーチなど採寸してもらい、ホイール、サドル、ペダルなどを決めます。翌週、22日頃、マツナガからパナソニックに注文が出され、パーツが揃えられました。パナソニックのWebには、20日で納品と書かれていますが、この20日は、営業日だけを指すのか、震災後の節電モードで仕事が遅いのか、夏休みに入ったのか、結局4週間ほどかかりました。8月22日に納品されると連絡があり、翌日、マツナガさんに行って、フレームの写真を撮らせてもらいました。それがこのページの先頭にある写真です。

組み立てには、それから2-3日かかり、結局8月28日(日曜)の朝にできあがりとなりました。自転車にまたがって、ポジション調整をしてもらいます。これまで乗っていたF50で問題ないと伝えたので、だいたいその通りの寸法になったようです。でも、ちょっとまたがっただけではよくわからないですね。はぁはぁ言うほど力を入れたり、数十卅って疲れたときにどういう姿勢になるかが問題です。今後、何回かサイクリングに出かけた際に、自分で調整するのでしょう。

試乗

マツナガさんから自宅まで、遠回りして、10劼曚匹鮠茲辰撞△蠅泙靴。また、同日、20劼曚匹隆圭倭行に出かけました。次の週には、不動峠を登り、湯袋を下りました。ポジションにも多少違和感があり、カンパの変速機もとっさに使い方がわからず、Timeのペダルにビンディングをかませるのもちょっと勝手が違います。県道を走っていて、なんとなく危険を感じるのは、リアビューミラーが付いていないからだと気がつきました。

ポジションについては、サドルを5ミリほど上げて、前に10ミリほどずらしました。それが良いというわけではなく、違いを感じるためです。もう一点、どうもおかしいと思ったのは、下ハンの握り位置です。ergonomicsタイプなので、ここを握って、という場所があるのですが、それがどうも遠い、奥にある感じ。その手前を握ると、思いの外ハンドルが短く、小指がハンドルの端まで来てしまう。一方、ブラケットはどうも高い位置にあって、角が生えているように思われる。これは、きっとハンドルの取り付け角度が深すぎ、手前にしゃくれているのだろうと気がつく。それで、10-20°ほど奥に送ってやる。

さて、乗り出しは、とても軽い感じです。ボトルケージなどの小物も付けていないので、実際軽い。店先で計ってもらったところ、ペダルとメーターまで込みで、8.2圓任靴。軽いのですが、フレームは、予想より堅い。タイヤとホイール、それからサドルが大きく影響している可能性がありますが、アルミ+一部カーボンのFelt F50より堅い。その分、力が無駄なく路面に伝わっている感じがします。別に、びよんびよんと撓うような感じは全くありません。堅くて、振動もよく伝わってきます。Feltが、実はすごく柔らかいのに、気がついていなかっただけかもしれません。7年も乗るうちに、あちこち緩んできているのかもしれません。Lupoは、さらに柔らかいですが。

ホイールも堅さに影響していると思われます。Zondaは、加速良く、軽く回ります。ホイールを手で持った感じも、堅く頑丈です。スポークがスチールなのが効いていると思われます。それにくらべると、F50に2007年から付けているAmerican Classic 350は、軽さを追求しているからか、スポークもアルミ製で、柔らかいのだと思います。Zondaのスポークは、回転方向の空気抵抗が減るように、扁平になっています。G3というスポーク配置も独特で、きっと速いのだろうと期待を抱かせます。

カンパのコンポにはまだ慣れないので、変速でいちいちとまどいます。変速フィーリングは、シマノよりダイレクトで、ガチリと決まります。特に後のシフトアップは、本当にガチリと言う感じです。それに比べると、Feltのシマノは、にゅるりと変速する感じです。実際、シマノは、音もなく変速しているので、本当に変速できたのかわからない時がありますが、カンパははっきり反応が返ります。シフトワイヤの取り回しの摩擦の問題かもしれません。とにかく、変速性能の差というよりは、好みの問題でしょう。同点。

シマノのSTIレバー、カンパのErgoの変速操作のしやすさは、STIの勝ちでしょう。シフトアップ(リア)が右親指というのは、どうしてもなじめません。ブラケットを握っているとき、親指の付け根で操作できないこともないですが、確実を期すには、手を2-3センチ手前にずらす必要があります。ブレーキレバーを横に振ってシフトダウンできるSTIはすばらしい。カンパは、ブレーキワイヤとシフトワイヤの両方がハンドルバーに沿わせられ、シマノのようにハンドル前の空中を通す必要がありません。見た目、すっきりになります。ロードレーサに夜間乗ることはまれですが、ハンドルにライトを付けたとき、この空中配線に光が反射したり陰を作ったりすることもなくなります。カンパは、ブルベ向き?

変速レバーではなく、ブラケットの握り心地ということであれば、カンパのErgopowerに軍配が上がります。カンパの方が細身で握りやすい。欧米人の大きい手に合わせたであろうカンパより、日本製のシマノの方が握りが太いのはなぜでしょう?F50のUltegraが古いからかもしれません(2004年製)。昨年買ったBianchi LupoのTiagraのレバーは、カンパと遜色ありません。

心配していた、前34/50T、後12/27の11速のギア比は、ちょうど良かったと思います。やはり11速は10速より良い。インナーギアでは、後の10-11速は、どこか触っている音がします。50Tに後27Tは、問題なく使えそうです。平地や市街地程度では、アウターだけで大丈夫です。こぎ出しに使うのは、2速くらいでよいでしょう。巡航しているときは、4-6速です。この3枚は、歯数が2ずつ変わっていて、変化が大きすぎる。もう一枚ほしい。追い風で調子よければ、8速くらいまでは行きます。やっぱり12Tは不要で、13-29Tにすれば良かったか?

50-34というのは、段差が大きすぎて、平地で相互に使うのは難しい。インナーギアは、ヒルクライムか、混み合った街中をゆっくり走るときの専用です。不動峠は、ほとんど3速、ときどき2速で十分です。さらに1速があると思うと安心できます。

ブレーキタッチは、カンパの勝ちです。とてもコントローラブルな感触で、弱いブレーキから強いブレーキまで使い分けられます。ストッピングパワーも十分です。F50は、シマノが悪いんじゃなくて、ワイヤが渋くなっているのかもしれません。ホイルの接触面の問題かもしれませんし、ブレーキパッドのゴムが堅くなっているのかもしれません。

ペダル、Timeのi-Clicも、嵌め合わせ方が、シマノはペダルの穴の中にクリートの先を突っ込むのに対し、i-Clicは出っ張りに引っかける感じで、最初はとまどいました。はまってしまえば、シマノのSPDに比べて、可動域が広いのが特徴です。回転だけでなく、若干の平行移動も許容するようです。そのため、足がしっかりバインドされていないように感じます。脱着は、シマノより軽く、簡単にできます。気に入りました。

サドル、Arione versusもなかなか良いですね。これまでのSerfasより2-3センチ長いので、落ち着ける場所を広範囲で探せます。尿道への圧迫も軽減されています。撓って衝撃を吸収してくれますが、Serfasのようなふかふか感は、ありません。そのせいもあって、パナチタンを堅く感じるのかもしれません。さすがに、シートステイの違いはわかりません。せっかくのカーボン部品なのですが。。。

翌週は、台風なのであまり乗れず。翌々週、朝日峠越えと岩瀬まで。合計で150キロくらいになったが、100キロを超える頃から、このバイクは柔らかいんじゃないかと思えてきた。タイヤやサドルなどがなじんできたのだろうか。※3週間後、どうもサドルが堅い感じがするので、Veloの柔らかいサドルに交換しました。とても乗り心地がよくなりましたが、なんだ、クロスバイクかよ、という感じ。

   マツナガさんのテストベンチで、ポジション調整
  フレームの配色デザインは、まあ、成功したのではないでしょうか。紺と赤というのは、どうやっても良くマッチします。

ダウンチューブは、前方のフロントフォークに近い部分が、上下に長い楕円、BB部分では、横に長い楕円につぶされている。ひたすら、熔接の強度を出すためと思われる。パイプとしては弱くなる。 
  パイプの接合は、ラグを使わない熔接。Felt-F50のアルミフレームに比べるとろう部分の出っ張りが少なく滑らかで、上手にやってある印象。 
  ワイヤチューブにもCAMPAGNOLOのロゴ入りでうれしい
 
  ハンドル周りには、ワイヤがない。シマノと違ってとてもすっきりしているし、ハンドルの握りも細くなるように思える。ブラケットの内側に、シフトボタンが飛び出ているのが、Campagnoloらしい。
   Campagnolo Athenaクランクセット50-34T。アルミクランク。フロント変速では、今のところトラブルなし。
ペダルは、Timeのi-Clic, プラスチックで軽い。
   ロードレーサが3台になったので、2階建てラックを導入。天井と床に突っ張って固定されている。スペース効率がよい上に壮観。上が、FELT-F50で、下が、Bianchi Lupo

しかし、F50はどうしようか。。。


toshihiroアットmatsui.dip.jp