家を建てる

Penguin!! 2006年4月

土地探し

周囲の雰囲気、駅からの距離、騒音、直前の道路の幅、眺望。いろいろ欲はあるが、全部は満たされないし、満たされるようなら高い土地になる。お奨めしたいのは、人とは違うことにこだわること。たいていの人は、駅から近い方がよいと思っている。そこを、自転車で通うから、5キロくらいあった方が運動になる、と思う。目の前の道路は狭い方が静かだと思う。北向きの方が夏は涼しくてよいと思う。墓地の前は静かで、この先100年以上同じ環境が保たれると思う。

がんばって良い土地を買うと、家を建てるお金がなくなる。 1000万円の土地なら1000-2000万円の建物、 2000万円の土地なら2000-3000万円の家を建てる、くらいが普通ではないでしょうか。 日本の車が、こてこてといろんなものが付いていて高いのは、 それを置いておく土地が高いからでしょう。 3000万円の土地に1000万円の建物では、満足度が低くなると思います。

モデルハウスを見に行くと、「土地はお持ちですか?」と聞かれる。 土地があるというと、この客は本気だと受け取られる。 土地がないというと、ご予算はどれくらいで?と聞かれる。 金もないと言えば、今度は職業を聞いてローンが借りられそうな客か品定めする。 ローンも期待できないとなると、早く帰ってもらう算段をする。

予定価格は簡単に明かすべきではないが、 仕様をいっしょに考えてもらうのならば、ある時点ではしょうがない。 しかし、あちこちの業者に競争させてたくさん見積もりを取るつもりなら、 予算は絶対言わない方が良い。 むしろ、どういう家にしたいか、たとえば広さ、設備のグレードなどを言うべきで、 その仕様を満たす最も安い業者を選べばよい。 予算を告げると、反対に、彼らはその値段でいかに手抜きをするかを考える。 だって、いくら良い家を提案しても、その予算以上の金を引き出すことは できないことがわかったのだから、あとは手抜きして儲けることを考えるでしょう。

土地も探してあげましょう、というようなことも言われる。なるべく安い土地を買わせて、その分を建物に投資させようということでないかと想像する。

土地と建物をセットで同じところから買うか、別々に調達するかは、 一長一短ですが、「家の問題は地盤から生じることが多い」のは気になるところ。 家が傾いたときに、土地が軟弱だからか、基礎をしっかり作らなかったからか、 責任が不明確になる。セットで購入すれば、どっちの問題であろうと、 一社に賠償請求ができますが、分離購入では自分で問題の分析をしなければ ならない。 ですから、分離購入の場合は、地盤の補強には念を入れておいた方がよいと思います。

結局、二つの駅のちょうど間くらいの中途半端というか、一番安くなりそうな場所の土地を求めました。調整区域の中に、開発行為によって小規模な住宅地を作ったという物です。周囲は調整区域なので、半ば田園地帯。

80坪の土地。きれいに造成してある。
この時点では両側とも空き地。
目の前は道路と畑、それから高圧線の鉄塔。
見晴らしがよい。左の方数百メートル先に鉄道(TX)が走っている。

地盤補強

地盤の強度に注意すること。以前から住宅に使われていた場所ならば、そんなに心配する必要はないでしょう。この場所は、以前は畑だったようです。上を歩いても、ふかふかしています。沢、沼、谷、池などの地名を持つ場所は、水が近いのかもしれないので注意した方がよいそうです。ここはそういう名前ではないですが、1−200メートルのところに幅数メートルの川があります。

住宅の建築場所を決めた後、要所の地盤検査をしてもらいました。5点を検査してもらいましたが、5−6万円かかります。結果は、あまり芳しくありませんでした。地耐力が3t/屬りぎりでした。関東は全域ローム層で、似たような状況のところが多いそうです。建築面積が80屬覆蕁240トンということになります。自分の家の体重がどれだけかは、知っておいた方がよいのですが、なかなかはっきりしない。私の計算では、上物だけなら30tくらいですが、基礎を加えると、100tくらいはあると思った方がよい(普通はそんなには重くない)。こりゃ地震が起こったら耐えられない。不等沈下が出るかも知れない。

結果的に杭の打ち込みをお願いしました。直径数十センチの穴を掘り、セメントミルクを流し込んで固めます。30個ほど、深さ3.5メートルの穴を掘ったようです。穴1つで3万円ほど、全部で100万円ほどの出費です。アイタタタ。せめてもの抵抗で、庭に飛び出る庇を支える柱の下の地盤補強は省略してもらいました。

基礎は、頑丈な鉄筋の入ったべた基礎ですが、地盤が弱いんでは役に立たない。この補強で十分だったのか、今でも完全には納得していません。せめて4.5メートル掘って多少なりとも固い地盤に到達しておくべきではなかったか、摩擦だけでは重たい住宅を支えられるか。。。基礎は取り返しがつきません。後悔のないように十分な補強をおすすめします。

頑丈な方が良いのか

あまり補強を完全にするのも、実は考え物です。後に建物や土地を処分するときに、大変なことになります。べた基礎を粉砕し、地中のポストを破壊するのには、とんでもないエネルギーとコストが必要な上に、大量の瓦礫が出ます。第2次大戦後、日本は急激に復興できたのに、ドイツの復興が遅れたのは、日本の木造家屋は燃えてなくなったが、爆撃されたドイツの都市の瓦礫の処分ができなかったからだと聞いたことがあります。無駄なつけを子孫に残したくないという思いと、がっちりした土台を作っておいたから末永く使ってくれい、という重いが交錯します。