家を建てる 間取り

2006年4月 Penguin!!

レイアウト設計ソフト

はじめ、パワーポイントで間取りの絵を描いて見ましたが、まるで効率が悪い。 3Dマイホームデザイナー(Megasoft)などの図面書きソフトを買うと良い。 1万円くらい。3Dウォークスルーができたり、実際の家具の3Dモデルを ダウンロードして配置したりできるので、なかなか楽しい。 間取りを自分で決めたければ是非欲しい。 家の設計にしか使えないので、ちょっと高いソフトという感じはするが、 このソフトで設計した家を実際に建てると、1万円のキャッシュバックがある。

家の向き

家は南向きに建てるのが常識のようです。南向きというのは、敷地の北側に寄せて家を建て、南側に庭を取る、南側に玄関を置く、南側の窓を大きく取る、ということです。熱源、光源としての太陽の価値を重要視していることになります。北はじめじめして寒い、南はからっとして明るい、という印象があります。しかし、夏に温度が上がれば、南は灼熱地獄になります。一方で、「家は夏向きを旨とすべし」、という格言があるようです。冬の寒さより夏の暑さが問題になることの方が多いこのごろでは、この考えにくみしたいと思います。西日の暑さを避ける方法も重要でしょう。

仮に、冬暖かいように、南向きの家を作るとします。暖かくする、というのは、南の窓を大きくするのでしょう。南窓が大きければ、冬の昼間は大量の熱を取り込めます。しかし、冬は昼が短い。一日の大半は、その大きな窓から熱が逃げ出します。夏はどうでしょうか。夏は、昼間が長い。窓面積の大きい自動車の車内がサウナのようになるのと同じことが起きるでしょう。

というわけで、我が家は、北向きとし、夏の暑さを低減することを中心に考えました。花は南向きに咲くので、家を北向きに作り、北側の庭に植え込みを作れば、窓から花と向き合うことができる、という説もあります。北側の庭には、ウッドデッキを作りたいものです。そんな寒いところに、という声もありますが、寒い時期は、北向き南向きを問わず、外に出るのはいやなもの。庭に出るのは、春から秋までの暖かい時期でしょう。それが南の庭でかんかん照りではいやになります。北側の日陰の庭の方が良いでしょう。北側のお隣の家は、おそらく常識に従って北に寄せ、南に庭を作るでしょう。拙宅の北側の庭と合わさって広々とした感じがするはずです。

東側は、千坪もありそうな農家の庭が一段高いところに連なり、高い塀で仕切られます。空調の室外機は東側に置かせてもらいましょう。西側は、道路に接しており、畑が開けていて、高圧線も通っています。玄関はこちらに作ることになります。駐車スペースも西側にとります。

外形

家の形は、最初、コの字型にしたいものだ、などと考えました。真ん中の空間をウッドデッキにして、独り占めできる屋外空間にできると思ったからです。しかし、間取りを考えると、とても不経済な形です。おそらく強度的にも落ちるでしょう。強度、建設コスト、エネルギー効率を考えると、当然のことながら正方形に近い矩形に落ち着きます。

総床面積は、40-50坪。総二階にします。さいころのようになります。強度や効率的には最適ですが、見た目は、退屈な形になりそうです。下はマイホームデザイナーで描いた完成予想図。

自動車や人のモデルを配置すると、どのくらいのスペースか予想しやすい

モジュール

尺モジュールではなく、メートルモジュールにすることにしました。 幅10%の余裕がうれしい。面積にすると20%増し。 大壁作りは壁が厚いので、そのくらい余裕がないと壁の中の無駄空間が増えます。 建設費は割高ですかと聞くと、壁の密度が減るので、同じ床面積あたりの コストは下がります、ということでした。

メートルモジュールにしても、お風呂やドアや窓は、メートル幅のものが あるわけではありません。キッチンはいろいろな幅があります。 畳はどうなのか聞くと、畳というのは規格があるようでないもので、 実物に合わせて作るとのこと。そういえば、子供の頃、家の畳を干したことが ありますが、どの畳はどこと決めてあって、他のところには入りませんでした。 ミリ単位で合わせてあるんですね。

メートル幅では大きすぎるので、75僂砲靴討く、ということがあります。たとえば、押し入れの奥行きです。洗濯機や冷蔵庫の幅は70センチ前後、タンスの奥行きは60センチ前後。メートルモジュールと言っても、けっこう半端な寸法が出てきます。

階段

階段は幅広い直線型にして、将来足が弱くなったらエスカレータのような 補助具を取り付けられるようにせよ、という人がいました。 そんなことをする気はありません。年取ったら、一階に住もうと思います。 一階だけで生活できるように、キッチン、浴室、トイレは1階にします。 階段は、途中で方向転換がいらない直線型が安全だとする説、 まっさかさまに転がり落ちないように、途中に踊り場を設けるべきだ、 とする説があります。 旋回していると大きな物を運び上げにくいという問題もあります。 旋回部分は、螺旋階段にするのは危険です。螺旋の一番内側は、極端に急な勾配になるからです。両側に手すりをつけましょう。

間取りを考える上で、階段はとてもやっかいです。 2階では、階段が溝になって家が大きく2分されてしまいます。 一階では物置には使えますし、部屋の間の遮音を高めるのにも使えます。

部屋の配置

どういう部屋が必要かを考えます。普段の生活を考えると、家族みんなが顔を合わせる食堂が一番重要。お客が来ることは想定する必要はなく、客間は不要。居間(リビング)は、何をするかというとAV.室。音楽を聴くのが一番重要で、音が漏れないようにしたい。ビデオも見るので、外光が入らない部屋が良い。リビングと食堂は、一続きにして20畳くらいの大きな部屋に使えるようにすることが多いようですが、あえて8畳くらい2室が、防音良く隣り合わせになるように配置します。食堂を北向きにして、北の庭のウッドデッキに出られるようにします。リビングの隣は和室ですが、客間にして遊ばせるのではなく、子供の部屋にあてがいます。将来、年をとったら我々夫婦もそこに寝ます。音が響かないよう、階段を挟んでリビングの隣にします。

子供は、それぞれに、和室がよい、水道が出るのがよい、大きい部屋がよい、など言います。2階に独立した子供部屋を二部屋作ります。もう高校生、大学生ばかりなので、みんなが一部屋に集まって、とか、どこで何をしているかわかる、というのは無しです。そういう作りの家では、みんな外に住みたいと言い出すでしょう。この家は、プライバシ重視の間取りにします。子供が小さい家庭では、もっとオープンで密度の高い間取りが好まれるでしょう。この家が、若い夫婦の手に渡ったら、もてあますかもしれません。

このプランには、特徴的なスペースが三つあります。

一つは、家内の書斎です。四六時中机というかPCに向かって仕事しているので、スペースは2畳と小さいながら、食堂に接して一番便利な場所に書斎を作ります。家の中心です。台所からの吹きこぼれの音も聞こえます。ところがリビングで聞く音楽の音は聞きたくないと言います。難しい位置関係です。リビングとダイニングの間は扉で仕切らざるを得ません。

2番目に、階段を上がった2階のホールを私の書斎らしき場所にしました。各部屋に行く中継点でもあり、1階のダイニングとつながるスペースでもあります。プライバシーはありません。自分の家なんだから寝室には行ってこそこそするんじゃなくて、家の真ん中で堂々と仕事も遊びもしようじゃないか、という堂々たるアイデアです。うそ!PCを寝室から出しておかないと、うるさくてピカピカ光って眠れないと家内に叱られるからです。

三つ目のスペースは、1階玄関脇の土間です。自転車の整備や趣味の工作に使う場所です。サーバーもここに置く。広さは2.5畳ほどです。

スペース効率を上げるためには、廊下は少ない方が良い。そうすると、部屋の入り口を一カ所に固めることになります。1階では、階段の上り口当たりがそれです。リビングとダイニングの間は、両引きの引き戸ですが、東側(図で上側)に全部引き込めるので、1間幅でつながります。どこに行くにもここを経由します。この辺りに黒板など吊しておくつもりです。2階では、階段をあがったところが南の壁になります。1階で交通の要路を家の真ん中に持ってきたので、2階の階段はどうしても家の端に行ってしまうのです。ぐるっと回す手もありますが、上りやすくはない。引っ越しの荷物が上がらなくなる可能性もある。そうは言っても、階段の終点が壁にぶつかったところで90度曲げるくらいはしかたない。そこから各部屋に行くには、どうしても廊下が必要になります。それを廊下のままにしたのでは無駄になるので、敢えて4.5畳くらいの空間にして、書斎としても使えるようにしました。結局、階段の下で1階の全部の部屋がつながり、2階のホールも一体として使えるような間取りにしました。それでいて、各自が部屋に入ってしまうと、プライバシーは万全です。部屋同士が薄い壁で接しているところは一カ所もありません。

収納が重要です。このごろはウォークインクロゼットが流行です。アメリカに住んだときに初めて使い、重宝しました。最近は、住宅展示会で見学する家には必ず付いています。部屋に洋服ダンスを置くのはやめて、衣服は全部ウォークインクロゼットに吊すようにしたい。ところが、ウォクインクロゼットには、無駄もあります。押し入れは、全容積が収納に使えますが、ウォークインクロゼットは、歩いたり作業する空間が必要になります。大きなウォークインクローゼットにしたところで、物を収納できるのは壁に沿って70センチくらいの空間で、入り口および中央部は無駄な空間になります。単に広いスペースを確保するだけでなく、洋服をどう吊すか、行李をどれだけ並べるかなども考えておくべきでしょう。ウォークインクロゼットが洋服ダンス代わりということは、そこに防虫剤を入れると言うことです。家内は、ナフタリンのニオイが寝室にしみだすのではないかと心配します。計画換気で、クロゼット中は弱い負圧になるようにし、寝室からクロゼットに向かって空気が流れるようにします。

もちろんウォークインクロゼットは、寝室に隣接させます。朝起きて、着替えるのには最適です。ところが、外から帰ってきて部屋着に着替えるには、風除室を過ぎ、階段を上がり、2階のホールを横切り、寝室に入り、WiCのドアを開けてタンスの前まで行かなければなりません。玄関から非常に遠い位置にあります。朝、忘れ物を取りに飛んで帰ることがあります。どこに忘れるかというと、昨日着た洋服のポケットです。ロスタイムが大きそうです。通勤服は、玄関からホールに入ってすぐ左側の衣装棚に掛けておくことになりそうです。

実現できなかったこと、失敗

余裕があればやってみたかったことには、地下室、屋根裏部屋、吹き抜け、天窓、ドーム屋根などたくさんあります。熱効率とコストからすべて断念しました。

すべての部屋が矩形の中に収まる。1階の土間も2階のバルコニーも矩形の中に収めたのですが、両方とも温度的には屋外であり、断熱壁はその分変な形になります。外壁面積が増えるわけではありませんが、施行の手間が増えます。

同様に外玄関の屋根、北側の庭に突き出た庇(ひさし)が余分な造作になってしまいました。玄関は2辰らい内側に食い込んで作っておけばよかった。