家を建てる

ビルダー選び

大きく分けて、大手の住宅メーカー、新興の(安売り型)パワービルダー、地域の工務店、の3種類があるのでしょうか。前2者は、立派なモデルハウスを展示しています。大手は、パンフレット類もすごい。万が一の事故があったときの保証も、大手は安心だという説があります。一方、この営業にかける費用も、元はと言えば顧客が支払ったもの。営業さんがうちに来てくれる必要もないし、立派なパンフレットも不要だからもっと安くして、と思います。

直接工務店に持ち込むのは不安だから、設計士に頼む、という手もあるようです。単純に、設計コストが余分にかかるのでやめました。

モデルハウス展示場には、3-4回足を運びました。見学会にも数回行きました。茨城の家造り、というようなムックも読んでみました。図書館にある家作りのノウハウ集を何冊も読みました。ハウスメーカのランキングwebサイトもあります。

そんなに悩むことはありませんでした。 見積もりをいくつも取ることもしませんでした。 家作りのコンセプトと、仕上げの丁寧さから、 「つくばハウジング」に お願いすることにしました。

私は、明確に「空気環境重視、したがって断熱が一番大事」と思っています。 断熱がよければ、家の中はどこも同じ温度になるはずです。 どのハウスメーカも、「断熱は良いです」、というのですが、 部屋ごとに別々のエアコンが何台も付いているメーカは、 全部願い下げにしました。 そういう局所的冷暖房でできる温度差と高性能断熱は矛盾するからです。使う部屋だけ暖める方が無駄がない、と言う考えもあります。しかし、そうやって家の中に温度差ができると、暖かい空気が冷たい壁に触れて結露します。するとカビが生え、ダニが発生し、という悪循環に陥ります。

「人に覗かれるのはいやだけど、太陽に覗かれるのは好き」とか、 「新聞は朝の太陽の光で読みたい」とか言っているビルダーも完全に コンセプトミスマッチ。夏の直射をどうするつもりでしょうか。 どうせ厚いカーテンやブラインドでふさぐに決まっています。 街を歩いてみればわかります。このごろ、窓の大きいビルや家が多いですが、 南側は全部ブラインドが下りています。北側の窓は開いています。

「暖房は床暖ですか?」と聞いたときに、 「床暖にできますよ」、というメーカさんも全部ボツにしました。 床暖じゃなかったら何にするのでしょう? また局所暖房に逆戻りするのだとしたら、 断熱性能から考え直す必要があります。 断熱がよければ、冷めにくいのですから、建物の内部に蓄熱する方式が可能 になります。そういうアドバンテッジを生かしている方式がよい。 蓄熱体を部屋の中に抱えているのもありました。 居室スペースを蓄熱体に侵されるのはもったいない。 断熱壁は、厚みももちろんですが、結露が生じないように内壁側の気密が しっかりとれることが条件です。 ロックウールやグラスウールはだめで (素材そのものより、包んでいるフィルムが薄くて破れやすいし終端処理が難しい)、 ウレタンが良さそうです。燃えると具合が悪いようですが。

2番目は「自然素材」です。このごろは、木の質感を重視しているメーカが多く、 無垢板を使っていることを売りにしています。壁で差が出そうです。

つくばハウジングは、エアコン冷房は屋根裏からの全館への換気、暖房は床下蓄熱型、断熱壁は30ミリのウレタン2枚の内断熱、外断熱併用の複層断熱、テープは使わずにコーキングで気密(テープを使う施工にはこんな例があります。弱そう) さらに内壁と断熱壁の間に通気層を取る、内装は無垢板と漆喰壁、という理想的な仕様でした。

価格は、坪当たり50-60万円くらいです。普通に作る家だったらだいたいこんなものでしょう。いい材料や設備を使ったり、複雑な形の家にすれば高くなるし、素材のグレードを落とせば安くなる。簡単に50万円を越してしまうというのは、国際的な感覚からは、大変高い家ということになりますが(アルバニア人や中国人に言ったら目を丸くしていましたよ)、国内は平均的にそんなもの。広告を見ると、30万円台の住宅というのが評判になっているようですが、ひどい目にあったという話もよく聞きます。

住宅見聞記

つくばハウジングを中心に見学させてもらったときの写真です。

最初にびっくりしたのが、屋根裏の集中冷房。 一台の室内機の冷気をダクトで各部屋に分配する。 写真では中央上部の白い箱が室内機で、その前に開口ダクトが開いている。 騒音は小さいし、各部屋が均一な温度になる。使いもしない屋根裏部屋が一番涼しい、というのは無駄な部分だが、断熱がよければそれほど大きなロスではないはず。
屋根裏部屋。けっこうな広さの空間がある。
屋根裏の発泡断熱材。すきまなく簡単に充填できる。 ネオマに比べると熱伝導は2倍あるのである程度の厚さが必要。 別の業者で壁内断熱にこのウレタン発泡を使っているところがあったが、 厚みが必要なので通気層がとれなくなる。
つくばハウジングの複層断熱の内側。隙間はシリコンコーキング で完全密閉。上の丸い切り欠きは換気扇の穴。
換気扇穴の断面。外張り断熱は別の断熱材が使われている。
わかばハウスの屋根裏の吸排気システム。
こちらは吸気。これにくらべるとつくばハウジングの幅木通気は簡単でコスト安になりそうに思います。
わかばハウスのウォークインクロゼット。4畳半くらいあるでしょうか。窓も必要なのですね。
屋根裏がこんな部屋になる。秘密基地風で楽しいけど、本当に得になるのか疑問。
つくばハウジングのウォークインクロゼット。
壁が分厚いので、こんなニッチや収納が作れる。
ダイニングに使われる一段盛り上がった畳スペース。床下には、引き出しが入る。こういう段差は小さい子供には危ないが、車いすから乗り移るには便利だとか。私はいすの方がいい。
つくばハウジングの階段。スギ材をブラストして木目を浮き立たせている。らせんを切ると、内側(写真では左側)の傾斜が非常に急になって危険。

仕様の相談から契約まで

2005年の夏に初めてつくばハウジングに足を運んでからは、2週間に一度くらい相談に行きました。私が3D-MyHomeDesignerで作った間取り図を見ながら、話をうかがいました。見学会で、つくばハウジングはどういう家を作るのかはだいたいわかっていましたが、私自身が、どういう間取りにしたいのか、なかなか決められないでいました。5ヶ月くらいの間に数十のプランを考え、そのうちの5−6個をつくばハウジングに提示しました。つくばハウジングさんには、辛抱強く相手してもらいました。

間取りが決まって、見積もりをもらったのが12月くらい。見積もりをもらっても、高いのか安いのか、普通は判別できないと思います。建材や人件費の単価を知らないからです。たとえば、窓や扉が一枚いくらするかご存じですか?それから、相当な時間をかけてWebでいろいろな建材を検索しました。しかし、定価と実際の仕入れ値には、我々が日常生活品を購入するとき以上の差があるようです。たいていは、つくばハウジングが良心的な価格を提示しているのがわかり、安心しました。

契約書にはんこを押したのは翌年の1月でした。土地の契約をしてからちょうど1年でした。

これで設計、建設に入るのですが、いろいろ考えると、最終間取り図には不満が出てきました。メートル寸と尺モジュールがごっちゃになっていて、1畳の大きさが1Fと2Fで違っているという初歩的ミスもありました。契約書は、添付の図面と見積もりでの契約、になっているのですが、早速仕様変更を申し入れました。10x8.5m =85屬粒粟を、10.5x8.0m =84屬吠儿垢垢襦階段の位置も変わりますし、2階の部屋の数まで変える(元に戻す)、各部屋には、押し入れと洋服棚と本棚を必ず設ける、という変更をお願いしました。

その後も、キッチン、風呂、洗面などの機材、窓や扉などの建具、床の材料、壁材、天井材、外壁、瓦、などたくさん決めることがありました。Webで探すと、いろいろあります。サンプルを取り寄せてもらって決めていきます。

建て売りはどうか

週末の新聞広告には、家の広告がたくさん入ってきます。 どれも外観はきれいですし、間取りもよくできていると感心します。 値段も、一見リーズナブルに思えます。 たいていは、土地が気にいらないので、無視していますが、 自分で選んだ土地にこういう家を建てれば簡単だなと思います。

自分で家を建てる、いわゆる注文住宅は、希望通りの家ができるというと聞こえがよいですが、いろいろと細かい仕様を決めていく作業はとてつもなく時間を食います。細かい希望を詰めずに工務店にお任せにしてしまうと、注文住宅のメリットがなくなってしまいます。数万円の商品、たとえばデジカメや携帯電話を買うときにも、1時間くらいは考えるでしょう。200万円の自動車なら、1週間から一月くらいは、いろいろな資料を取り寄せて調べるでしょう。2000万円なら1年くらい時間をかけることになって不思議はない。おかげで、木材、窓、キッチンの設備など、一通りの知識は蓄えられましたが、二度と使うことのない無駄知識かもしれません。忙しくてそういう手間をかけられないなら、建て売りも簡単で良いと思います(たいへんだったな、と小さいため息をついている)。

ところが、その後、建ちかけの工事現場をいくつか見て回って、建て売りは要注意だと思いました。壁の中、床の下に何が入っているか、わかったものじゃないからです。何軒か見た家の土台は、ほとんどが米ツガでした。安いが耐久力がなく、シロアリにも弱いといういわく付きの材料です。筋交いが入ってないじゃないか、という家もあります。床下は通気構造がほとんどです。安い建て売りってこういうことなんだな、と納得しました。わからないからってお任せにするのは、やはりこわいと思います。